小腸腫瘍最近5年間（1995～1999）の本邦報告例の集計

摘要

1995～1999年，5年間の小腸原発性腫瘍の報告例を医学中央雑誌より抽出，集討し，20年前の集封と比較した．（1）原発性悪性腫瘍の組織型別頻度は癌157例，悪性リンパ腫146例，平滑筋肉腫140例，悪性神経原性腫瘍8例，カルテノイド8例，その他22例であった．（2）20年前の集計に比し，各組織別悪性腫瘍の明らかな増加傾向はなかった．（3）病変の存在部位は20年前の集計よりも良·悪性ともTreitz勒帯およびBauhin弁より離れた部位の病変が多い傾向があった．（4）GISTにおける免疫染色が行われた報告は1998年度以降では約半数であった．（5）そのほか腫瘍の大きさ，臨床症状など20年前の集計と大差なかった．