加齢黄斑変性のインドシアニングリーン蛍光眼底造影所見と摘出脈絡膜新生血管膜における血管内皮増殖因子の発現

摘要

加齢黄斑変性による脈絡膜新生血管膜のインドシアニングリーン蛍光眼底造影（IA）所見と血管内皮増殖因子（VEGF）の発現との相関の有無を検討した．新生血管膜摘出術の適応となった加齢黄斑変性による脈絡膜新生血管膜15例を対象とした．IA　 の4型分類（Ⅰ型は造影早期，後期にも過蛍光を示す．ⅠⅠ型は造影早期にのみ過蛍光を示す，ⅠⅠⅠ型は造影後期にのみ過蛍光を示す，ⅠⅤ型は造影早期，後期ともに過蛍光を示さない）に基づいて術前のIAを分類し，摘出組織の病理組織学的所見と免疫染色によるVEGFの発現を比較検討した．VEGFの発現はⅠ,ⅠⅠ,ⅠⅠⅠ型で強く，血管内皮細胞，問質の線稚芽細胞様の細胞にあった．一方，ⅠⅤ型における発現は弱かった．IA所見とVEGFの発現には相関があり，ⅠⅤ型の活動性は他の型と比べ低いと考えた．