抗甲状腺剤の再投与で無顆粒球症をきたしたバセドゥ病の1手術例

摘要

バセドゥ病は甲状腺ホルモンの過剰分泌により甲状腺機能亢進症を呈し,自己免疫疾患と認識されている.本症に対する治療には薬物療法,手術,アイソトープ治療などがあるが,近年薬物治療が第一選択となっている.その際,抗甲状腺剤がひろく使用されるが,その副作用として無頼粒球症は重篤な合併症である.今回,チアマゾールの再投与によって無顆粒球症を来した症例を経験し,甲状腺垂全摘術を施行したので若干の文献的考察を加えて報告する.