経口抗がん剤の特殊な調剤業務に関する 薬剤師の意識調査について

摘要

目的：経口抗がん剤を取り扱つている薬剤師の調剤業務の実態，および健康被害に対す る意識について調査することを目的とした。方法：1種類以上の経口抗がん剤を調剤している保険薬局勤務の薬剤師，および病院勤務の薬剤師を対象とし，web調査を実施した。結果：保険薬局薬剤師の46.5%，病院薬剤師の60.0%が，経口抗がん剤の粉砕?分割，脱 カプセルなどの特殊な調剤を行う機会があると回答した。抗がん剤曝露を防止するための 取り組みについては，曝露防止マニュアル等を策定しているのは病院薬剤師で59.0%，保険 薬局薬剤師で4.5%と両者で差があり，ともに十分ではないことが示唆された。考察：経口抗がん剤の調剤業務において,曝露が懸念されるような実態があるものの， その対策は十分とはいえず，今後の取り組みが重要であることが示された。