夜間頻尿と睡眠障害の包括的健康関連QOLへの影響 SF-8を用いた調査

摘要

夜間頻尿がHRQOLに及ぼす影響について，SF-8を用いて検討を行った報告はない。そ こで我々は，夜間頻尿と睡眠障害がHRQOLに及ぼす影響についてSF-8を用いて検討した。 また，抗コリン剤であるイミダフェナシンによる治療を行い，SF-8が治療介入による HRQOLの変化を反映し得るかについて検討した。夜間排尿を1回以上認める患者184例を対象とし，OABSSにおける夜間排尿回数スコア の上昇と，PSQI, ESS, SF-8の各スコアの変化との関係を調べた。夜間頻尿を有するOAB 患者51例に，イミダフヱナシン1回0.1-0.2mgを1日2回，12週間投与し，投与前，投与4 , 8および12週後に，OABSS, PSQI, ESS, SF-8の各スコアの変化を評価した。OABSS夜間排尿回数スコアの上昇に伴いPSQI global scoreは上昇し，正の相関が認めら れた。OABSS夜間排尿回数スコアの上昇に伴い，SF-8の身体的サマリースコアは有意に低 下した。OABSS夜間排尿回数スコア1,3群におけるSF-8の精神的サマリースコアは各々 47.1点，47.6点と，標準値の50点を下回っていた。SF-8の8つの下位項目のうち6項目にお いてOABSS夜間排尿回数スコアの上昇に伴うスコアの有意な低下を認めた。イミダフェナ シンによる治療介入によって，OABSS夜間排尿回数スコァは投与前に比べ投与4週後から