3.出血性疾患の診療のポイン卜

摘要

とくに誘因なく，あるいはわずかな外力によつ ても出血しやすく，一度出血した場合に容易に 止血しがたい状態を出血傾向といい，複数の部 位に出血症状を呈することが多い.出血傾向を 有する出血性疾患の診療のスタートは，止血機 構のどこに異常があつて出血しているかを見極 めることである.従って，生理的止血機構に関 する最低限の知識を有する必要がある.本稿で は，これを概説した後，その破綻としての出血 性疾患に関して，実際の診療時のボイントを， 診断面を中心にまとめる.