呼吸苦を主訴とし，亜急性の経過で死亡した肺腫瘍塞栓性微小血管症(PTTM)の一例

摘要

症例79歳男性主訴腰痛?呼吸困難感現病歴 74歲時に前立腺がんに対して前立腺全摘 術を施行し，その後再発なく当院泌尿器科外来に通 院していた.78歳時の尿細胞診にてclass Vとなり， 膀胱鏡検査にて膀胱がんを認めた.79歳時(5か月前）に経尿道的膀胱腫瘍切除術 (transurethral resection of the bladder tumor ； TUR-Bt) を施行した.病理検査にて膀胱がん(urothelial carcinoma in situ, G3， pTis)の診断となり，外来でBCG (bacillus Calmette-Guerin)療法を施行していた.TUR-Bt施行3か月後にフォロー アツプの膀胱鏡検 査を行ったところ，再発を認め，再度TUR-Btを勧 められ，入院予定となっていた.上記入院の3週間前頃より腰痛が悪化し，近医整 形外科に通院していたが症状は改善しなかった.2 週間前より食欲不振と全身倦怠感および労作時息切 れが出現し，症状は徐々に増悪した.