初診の大うつ病性障害患者を対象にしたduloxetineとolanzapineの併用療法において，8週までに治療を終了した97例の治療期間および治療終了後の再発率について

摘要

われわれは初診の大うつ病性障害患者がduloxetineとolanzapineの併用療法で極めて短期 間で寛解から回復し，その結果，治療のための来院期間が著しく短縮することを報告し た。その一方で，再発の疑念が残り，治療終了後の再発率を調査した。162例の臨床研究で，8週間以内に治療を終了した97例（59.9%)を調査対象とし，43例 (44.3%)が平均57日で治療を終了し，再来院した40例（41.2%)が，平均250日通院後，治 療を終了し，その後は1年以上再発で再来院していない。このことから，初診の大うつ病性障害におけるduloxetineとolanzapineの併用療法は，早期 に治療を完了させるだけでなく，その後の再発も予防できる可能性があるとの結論に達した。