レべチラセタム投与後に著明な体重減少を認めた難治性てんかんの2例

摘要

レべチラセタム投与後に消化器症状と体重減少を認めた難治性てんかんの2例を報告す る。症例1は28女性。基礎疾患に周産期障害に伴う脳性まひがあり胃瘻より経管栄養中。 幼児期にレノックスガストー症候群を併発し，以降，抗てんかん薬の多剤併用療法を施行している。既存の抗てんかん薬による多剤併用療法でてんかん発作はコントロールし得な かつたが，レべチラセタムを段階的に増量投与し，6000mg/日の大量療法により80%以上の発作減少率を認めた。しかしレべチラセタム開始2週間後より経管栄養に度々胃残を残す 消化器症状を認めた。発作コントロール1力月後，2.1kgの体重減少と活動性の低下を認め服薬を中止したところ同症状は改善した。症例2は5歳の男児。1歳時にけいれん重積型 急性脳症に罹患し，重度精神運動発達遅滞を認める。3歳以降，頻回のミオクロ 二一発作 のため抗てんかん薬による多剤併用療法を行うも抵抗性であった。レべチラセタムの漸増 加療を行い，650mg/日で80%の発作減少率を認めた。しかしレべチラセタム開始1力月後 より活動性が低下し，日に数回の嘔吐が出現した。てんかん発作の再燃はなかったが3力 月後には体重が2.2kg減少し，レべチラセタムを中止したところ嘔吐は消失した。難治性て んかんにレべチラセタムを併用投与する際，体重減少を伴う消化器症状は留意すべき副作用と考えられた。