Medical News in Brief

摘要

第46回日本成人病（生活習慣病）学会学術集会が都内で開催され，「心房細動の脳梗塞予 防一心と脳からの新たなる展開一」と題されたシンポジゥムでは，相次いで上市される新規経口抗凝固薬の第m相試験の結果から，脳卒中や全身塞栓症の発症率の低さ，頭蓋内出血の 抑制効果の高さが話題の中心となった。矢坂正弘氏（九州医療センター）は，自験例を含めて国内外で報告されている臨床研究データから，脳出血はもともと日本人に多く，抗凝固療法中の脳出血に限っても人種差があ ると分析。特に高齢者や心房細動患者の増加，ガイドラインの普及により，ヮルファリン療 法を施行される患者が増えていることなどを挙げ，「抗凝固療法を行うからには，絶対に頭 盖内出血を起こさないということを考え，出血時の対応を心にとめておかなければならない」 と述べ，薬剤の選択や併用の検討をはじめとしたリスク管理を徹底する必要性を説いた。