骨粗鬆症患者の末梢循環改善効果に対する カルシトニン製剤の検討

摘要

高齢社会，食生活の欧米化による生活習慣 病の増加に伴い，末梢動脈疾患の罹患率が増 加している。四肢主幹動脈の慢性的な動脈硬 化性変化（狭窄もしくは閉塞）に伴い発症し， 主な症状としては下肢の虚血症状による下肢 冷感，しびれ感，間歇性跛行，安静時疼痛等 がみられる。皮膚?組織温の低下を伴うのが動脈性の冷 感で，血液循環が障害されて皮膚温が低下す るために冷たいと感じる。また，冷感と同時 にしびれの訴えがある場合も少なくなく，末 梢循環に障害があると末梢神経への血行不足 によって神経知覚障害の1つとしてしびれが 起こると考えられる。しかしながら，同じ動 脈性の冷感でも感じ方は1人ひとり異なり， 季節によっても変わってくるために客観的な 評価は難しい。