万歩計を利用した運動療法によりOlanzapine投与中の体重増加が改善した統合失調症の1症例

摘要

新規抗精神病薬は，従来薬と比べQOL改善，錐体外路系副作用の低減など様々な利点があり，急速にその使用が増加している。しかし，体重増加や耐糖能異常を来す危険性が従来薬よりも高く，大きな問題となっている。Olanzapineは新規抗精神病薬の中でも，再入院リスクの低さ，服薬継続率の高さが他の新規抗精神病薬よりも優れている反面，体重増加，代謝系副作用のリスクが高いことが知られており，精神症状が改善しても，体重増加により他の薬剤への変更を余儀なくされることがある。そのため体重増加の予防法や治療法が強く望まれている。今回我々は，Olanzapine投与中に観察された体重増加が，万歩計を利用した運動療法と栄養指導により改善した症例を経験したので報告する。