急性骨髄性白血病の化学療法と予後因子

摘要

急性骨髄性白血病（AMDの化学療法は，完全寛解（CR）率70－80％，5年生存率30－40％の成績に達したが，さらに成績を向上させるのは容易ではなく，新たな戦略が必要とされている。例えば，all－trans retinoicacid （ATRA）が導入されたAML－M3の治療は改善され，また大量ara－C療法の導入以来染色体t（8；21）やinv（16）を有するAMLでは，その成績は同種骨髄移植に匹敵する。一方，－5/7 （q）やAML－M7などの長期生存率はきわめて悪い。 したがって，AMLの治療戦略は予後良好群と不良群に分けて層別化する傾向にある。