膜胱癌診断における尿中腫瘍マーカーの検討 尿中BFP，CYFRA21－1，BTAテストおよび尿細胞診

摘要

膀胱癌診断における尿中腫瘍マーカーの臨床的有用性を検討した．対象は膜胱癌45症例である．尿中腫瘍マーカー別の敏感度，特異度では，敏感度は尿中BFPおよびCYFRA21-1測定が最も高く，特異度は尿細胞診が最も高かった．stage別，grade別では，Stage別で尿細胞診にのみstage上昇につれて敏感度が上昇し，grade別で，grade3におけるBTAの敏感度がやや低値であった．4項目すべての検査を施行しえた症例から，尿細胞診と尿中CYFRA21－1測定および尿細胞診と尿中BFP測定の組み合わせが陽性率の有意な上昇を示した．従来からの尿細胞診検査にBFP検査などの他の追加検査が有用であることが判明した．