直腸肛門部悪性黒色腫の臨床病理学的検討

摘要

当科および関連施設で経験した直腸肛門邪悪性黒色腫6例について臨床病理学的および免疫組織化学的検討を行った．症例は49歳～76歳（平均62歳）で，6例中5例が女性であった．4例が術後3カ月～2年9力月（平均1年2力月）で原病死しており，2例が術後2年，4年2カ月経過した現在も生存中である．占拠部位はRbP4例，PRb2例,Rbl例で，腫瘍最大径は2.9～7.0cm（平均4.9cm）であった．免疫組織染色では，低色素性でもHMB－45，Melam Aは強陽性を示し無（低）色素性黒色腫の診断に有用と思われた．長期生存例は深達度がsm であり，術式，治療方針の決定には術前の深達度診断が重要と考えられた.