分子標的薬の臨床一新しい肺癌の分子標的治療薬一

摘要

EGFR遺伝子変異を有する肺癌には，EGFR-TKI が有効であるとする臨床データが蓄積されてきており，現在第III相試験でその効果を確認中である.現在開発中のEGFR作用薬で，reversible EGFR-TKI以外のものとしては，EGFR抗体，irreversible EGFR-TKIが代表的である.EGFR抗体としては，cetuximab, matuzu-mab, nimotuzumabなどが臨床導入されており，cetuximab については，EGFR陽性の1st-lineの進行非小細胞肺癌を対象とした第III相試験で抗癌剤に対する追加効果が報告された.Irreversible EGFR-TKIは，HKI-272, BIBW-2992, PF-299804などの薬剤が主に2nd-line以降の進行非小細胞肺癌を対象とした第II相もしくはIII相試験が行われている.肺癌治療のさらなる進歩のためにも，これらの薬剤の開発が成功裏に終わることを期待する.