臓器微小循環の概念の系譜－Benjamin W．Zwejfach先生を哀悼して－

摘要

1997年10月23日に微小循環学の父，Benjamin W．Zweifach先生（カリフォルニア大学サンディエゴ校名誉教授）が亡くなられた．享年86歳であった．先生は入院の前日まで微小循環研究室で若手研究者の指導をされていたという（写真1）．まさに生涯を"microcirculation（微小循環）"の研究に捧げられた先生である．先生は1931年にニューヨーク市立大学を卒業され，1936年にニューヨーク大学の細胞生理学教室のRobertChambers教授の元で学位（Ph．D．）をとられた．1947年にはコーネル大学医学部に移りEphriam Shorr教授の主宰する生理学教室で講師に，1951年には助教授になられた．この間，先生はニューヨーク大学の細胞生物学の講座も兼任されている．1955年にはニューヨーク大学医学部の病理学教室に移られ，1958年には教授に就任された．