プロテア正ゼの分類

摘要

プロテアーゼは活性中心の構造と作用様式により，セリンプロテアーゼ，システインプロテアーゼ，アスパラギン酸プロテアーゼ，金属プロテアーゼの4群に分類される．また，一次構造の相同性から各群はさらに細分化され，たとえば金属プロテアーゼはサーモリシン型，マトリックスメタロブロテアーゼ型，アスタシン型,セラリシン型,ADAM型,ピトリリシン型,エキソペプチダーゼ型などのファミリーに分類される.生物進化の初期に活性中心の構造を異にして分岐したそれぞれのプロテアーゼファミリーは，進化に伴いさらに基質結合部位の構造を変化させたり，またEGF（上皮成長因子）様ドメインやヘモペキシン様ドメイン，ディスインテクリン様ドメイン，細胞膜貫通ドメインなど，さまざまな機能ドメインを獲得して，それぞれの生理的役割により適した構造と機能をもつようになった．こうしたプロテアーゼは生体に広く分布し，細胞内外のさまざまな機能と密接に関連しつつ，生命の誕生,成長，維持,老化,死などに重要な役割を果たしている．