遠隔医療の現況と展望

摘要

遠隔医療がわが国においてはじめて試みられて以来30年が経過した,また，最近10年あまりにおける通信技術の進歩はめざましく，リアルタイムの動画伝送を実現するための機器も各種開発され，比較的安価で供給されるようになってきた，当初はISDN電話回線を1回線用いた画像伝送であったため，静止画像の伝送が主体であったが，しだいに3回線（384kb/sec）での画像伝送が普及し，高画質の動画伝送が可能となってきた．また，ISDN電話回線のみならず光ファイバーや通信衛星など多様なメディアを利用することによってさらに高画質の動画伝送ができるようになってきたため，遠隔医療は医療の各分野において徐々に普及しつつあるのが現状である．しかし，遠隔医療にもいくつかの課題が残されている．