自己免疫性関節炎におけるTh17の役割

摘要

Th17は，Th1，Th2とは異なる新しいT細胞サブセットとして，2005年にChen Dongらによって報告された．それまで関節リウマチのモデルである　 collagen induced arthritis（CIA）ではTh1応答が優位であることから，Th1 diseaseとして解釈されていた．その一方で，Th1細胞のエフェクター·サイトカインであるIFN－gammaを欠損したマウスではCIAの病態が悪化することから，Th1－Th2のサイトカインバランスだけで病態を解釈するのは限界があった．このような状況で現れたTh17という新しい概念は，IL－17ノックアウトマウスでCIA病態が抑制されるという報告と相まって，自己免疫性関節炎の病態を紐解く重要なT細胞サブセットとして迎えられた．