医療リスクマネジメントシステム確立の留意点-周立病院·療養所における取組み

摘要

医療事故は起こってはならない．しかし，医療には多くの人がかかわるため事故が発生する可能性がある．事故防止は医療人個々の自覚を促すだけでは達成できず，個々の医療機関におけるシステムそのものを見直さなければならない．その方法としてまず，医療事故防止対策規定を作成し，その趣旨を各部署に徹底させることが重要である．ついで報告された事故の要因を医療事故防止対策委員会において詳細章こ検討信事故の再発防止に努める．この際，例数の多いヒヤリ.ハット事例の検討をおろそかにしないこと，各部署へのリスクマネージャーの配置も大切である．さらに，事故が起こりにくい医療供給体制の採用も重要であり，その方法として国立国際医療センターが運用準備中の，lTを利用するpoint of act system（POAS）が推奨されるところである．