脳卒中再発予防のための危険因子の総合管理

摘要

脳卒中再発予防には，その病態生理を考慮し危険因子に優先順位をつけて治療を行うことが推奨される．脳梗塞に対する適切な抗血栓療法，高血圧性脳内出血に対しては急性期から継続される降圧療法が第1である.脳梗塞に対して亜急性期から慢性期にかけて高血圧に対する降圧療法が導入され，降圧薬のクラス特有の利点を考慮して24時間にわたる厳格な降圧が推奨される．さらに，動脈硬化を基盤とする脳梗塞に対して抗動脈硬化作用のある薬物による脂質異常症や糖尿病に対する治療が追加される．あらたなエビデンスに基づく多剤併用療法による危険因子の厳格な管理を施すことが再発予防には重要であるといえる時代となった．