川崎病患者追跡調査

摘要

川崎病(Kawasaki disease)は川崎富作博士が1967年に最初に原著論文として報告した疾患で,報告者にちなんで世界中でこの名称でよばれている.主として5歳未満の小児が罹患し,種々の症状を呈する発熱性の疾患である.川崎は当初この疾患を"予後良好"として報告したが, 1970年に第1回全国調査を実施した際に死亡例があることが明らかになり,その後,一部の症例で冠動脈瘤をはじめとする心後遺症を残すことが明らかになった.現在では日米両国において小児の後天性心疾患の原因の第1位となっている.