外来での気管支喘息治療 日常生活管理と長期管理薬

摘要

喘息の長期管理·治療の目標は.発作がなく健常人と同等の日常生活を送れ.正常に近い呼吸機能を保ち.治療薬による副作用がないこと.喘息死を回避することであり.その達成には患者数育と適切な薬物療法か必要である.成人喘息の寛解頻度は10%前後と低く,喘息は気道炎症に基づく慢性疾患であるとの認識が必要であり.日常生活ではアレルゲンなどの喘息増悪因子を可能なかぎり回避するよう指導する.抗喘息薬は.持続型喘息で長期に毎日使用する長期管理薬と,発作時に用いる短時間作用性β_2刺激薬などの発作治療薬に大別される.長期管理薬の第一選択薬は吸入ステロイド(ICS)であるが,中用量以上のICSでコントロール不良な場合は.長時間作用性β_2刺激薬（LABA）,徐放性テオフイリン製剤,ロイコトリエン受容体拮抗薬（LTRA)などを併用する.ICSと併用薬の使用により喘息の管理は総じて向上したが,今後,患者個々の病態に対応できる"テイラーメイド医療"の発展が望まれる.