エンドカンナビノイド(endocannabinoids)と生体防御

摘要

けがには出血と感染が伴う.一方,けがの部位に集積してくる細胞はマタロファージ系の細胞と血か板である.この2つの細胞が出血と感染にもっとも最初に応答する.すなわち,出血に際しては血小板は凝集と粘着を.マクロフア一ジは組織因子を発現して外因系凝固を作動させる.またこれらの細胞は細菌性の刺機激に応答して内因性カンナヒノイド(内因性マリフアナ）を産生·放出することが判明してきた.すなわち,アナンダマイドと2-arachidonylglycerol(2-AG)である.前者は主としでケロフア-ジが,後者は主として血小板が産生·放出する.これらの内因性カンナピノイドは,受容体CBl, CB2, VRl（ウァ二ロイド受容体)を介して中枢·末梢神経系.心·循環器系.免疫系.凝固系などさまさまなシステムの受容体に働き,生体防御に働くことか判明しつつある.しかし.敗血症なとのときには大量の内因性カンナヒノイドが産生され.これが早期ショックのメディエークーとして働く.