塩酸オロパタジンの内服回数の違いによるsao痒性皮膚疾患に対する有効性と安全性 - 1日2回朝.就寝前内服と1日1回就寝前内服との比較検討-

摘要

塩酸オロパタジンは他の第二世代抗ヒスタミン薬に比べ各種皮膚疾患患者の痒みに対する適応が幅広く,中枢への移行は少ない薬剤である。 そこで,癌症性皮膚疾患患者を対象に塩酸オロパタジンの内服回数の違いによる安全性および有効性を検討することにした。 2003年2月28日から3月27日および2003年4月11日から6月10日に静岡赤十字病院皮膚科を受診した15歳以1のsao痒性皮膚疾患患者それぞれ159例, 78例を調査対象とした。 塩酸オロパタジン1日10mg朝.就寝前の2回内服(2回群)および1日10mg就寝前の1回内服(1回群)による眠気の発現率を159例で比較し,その後,厚みに対する効果を78例で比較した。 眠気の発現は, 2回群で8.5% (9例7106例), 1回群で3.8% (2例/53例)であり, 1回群が低値を示した。 痒みの消失率は, 2回群で72.9% (35例/48例), 1回群で83.3% (25例/30例)で,両群間で有意差は認めなかった。 塩酸オロバタジン1日1回内服は1日2回内服に比較し眠気の発現の低減化に有効な方法である。本剤は患者個々の状態·病勢を考慮した治療討画を企画する際,痒みの発現時間にあわせた内服回数の選択が可能であり,患者のQOLを考慮した臨床に即した治療を実現し得る極めて有効な治療薬のひとつである.