造血器悪性腫瘍患者におけるグラニセ卜口ン注射薬のImg/body投与と 3 mg/body投与による制吐効果及び有害事象

摘要

がん化学療法による多くの副作用の中でも，悪 心·嘔吐（chemotherapy-induced nausea and vomiting: CINV)は患者が最も苦痛を感じる副作用の1 つである.CINVは患者のquality of lifeを低下さ せるだけでなく，治療の延期や中止，抗悪性腫瘍薬 の減量などにつながるこ.とも少なくない.CINVは主に，抗悪性腫瘍薬の投与後24時間以 内に発現する急性CINV,その急性に引き続いて発現する遅発性CINV,化学療法を開始する前から発 現する予測性CINVの3つに分類される.急性 CINVの予防効果の成否は，遅発性CINVの治療効 果にも影響を及ぼす.日本癌治療学会が作成した 制吐薬適正使用ガイドラインでは，催吐性リスクが 高度及び中等度の抗悪性腫瘍薬投与に際して積極的 な制吐薬の予防投与が推奨されている.