女性のがん，HPVワクチン

摘要

日本における子宮頸がん罹患数は，最新のデ一夕によれば，上皮内がんを言めて年間約20,000例 と增加しており，死亡者数は年間約3,500例と推定されている.とくに40歳以下の若年者では，こ の20年間で2倍以上に增加しており，2011年の年間死亡者数は25?29歳で19例，30~34歳で 68例，35~39歳で118例，40~45歳で202例となっているこのように子宮頸がんは妊娠可能 年齢の罹患者が多いことから，妊娠を機に医療機関を受診した際，その初期病変である子宮頸部異形 成を言めて初めて発見されることもまれではない.子宮頸がん罹患者か'増加している背景には，二次 予防である日本人の子宮頸がん横診受診率が相変わらず25 ~ 30%と低いことがあげられる.一方 で，現在その接種が積極的に勧奨されていないヒ卜パピローマウィルス（human papillomavirus ： HPV)ワクチンは子宮頸か'んの一次予防として有力な手段であり，妊娠可能な年齢の女性も接種対象 となる.妊娠中のHPVワクチン接種は控えるべきであるが，もし妊娠と気づかずに接種したとして も問題はないとされており，接種が完了していない場合でも，その時点で以後の接種を延期すれば妊 娠継続?出産は十分可能である.また授乳中の女性の接種も問題ない.