がん化学療法の副作用対策

摘要

抗がん薬の副作用は，薬物療法の開始や継続の 妨げとなり，治療強度を落とすのみならず，患者の生活の質(QOL)を低下させるため，迅速かつ適 切な診断と対応が求められる.一方で，がん治療 目的での入院期間は短縮し，化学療法は外来通院 が基本であること，人口の高齢化によって，併存 症のために継続的な併用薬の使用力S必要とされる 高齢がん患者が急増していることから，がん診療連携拠点病院などで専門的ながん治療を担当する 医師と，自宅で療養する患者のかかりつけ先として の地域医療機関とのがん医療連携が，化学療法に 伴う副作用のマネジメントには非常に重要である. 本稿では，がん患者中心の支援体制を専門病院 と地域医療機関とで構築するために，必要な副作 用対策の基本的知識および具体的な対応方法について述べたい.