薬剤誘発性高血圧

摘要

薬剤誘発性高血圧は二次性高血圧の1つであるが，しばしば治療抵抗性高血圧の原因としても臨床 上，注意を払う必要が'ある.高血圧の診断，評価，治療目的で受診した患者に対する問診時に，必ず 現在服用している薬があるか否かを確認することが大事である.とくに，鎮痛解熱薬，グリチルリチ ン含有薬は服用頻度が高い.ほかの医療機関を受診しているか，受診していれば処方の有無について 具体的に薬剤の名前をあげて聞く必要がある.「お薬手帳」を活用することも欠かせない.高血圧を治療中の患者で，降圧薬の効果が減弱してきたり，認められなかったりする場合に，二次 性高血圧の可能性を考え，その1つとして薬剤誘発性高血圧の存在を確認することが，適切な治療へ の第一歩となる.降圧薬服用以前から他疾患治療薬の服用があるか，降圧薬服用開始後，途中から他 疾患治療薬が開始されていないかを常に注意しておく.