片頭痛の予防療法

摘要

片頭痛発作が月に2回以上ある患者では，予防療法の樣討が勧められる.そして，急性期治療だけ では十分に治療ができない場合や，急性期の治療が禁忌や副作用のために使用できない場合,急性期 治療の乱用がみられる場合などには，片頭痛の予防療法を考慮しなければならない.予防療法の目的 は，発作頻度，重症度と頭痛持続時間の軽減，急性期治療の反応の改善，生活機能の向上と， 生活への支障の軽減にある.急性期治療薬の乱用は薬物乱用頭痛を誘発するので，急性期治療薬の過 剰な使用が'ある場合も予防療法が必要となる.予防薬の選択に当たっては，併存する疾患や身体的状 況を勘案する必要がある.予防薬は有害事象がない限り，十分な用量まで増量し2~3力月程度の期 間をかけて効果を判定する.片頭痛の予防療法に関しては，日本神経学会による慢性頭痛治療ガイド ラインがあり，各種薬物療法がェビデンスとともに示されているので参照されたい.