HbA_(1c):日本での評価は？

摘要

HbA_(1c)はヘモグロビンにグルコースが非酵素的化学反応で安定的に結合した糖化ヘモグロビンであり，その血中濃度は過去1?2力月間の平均の血糖コン卜ロール状態を反映し，慢性血管合併症の発症·進展に関連することが明らかにされている.曰本糖尿病学会では血糖コン卜ロール管理においてHbA_(1c)を重視し，主要な判定はこれによって行うことを推奨している.HbA_(1c)値に関しては現在， わが国で使われるJDS値,北米を中心に世界で広く使われているNGSP値，ョ一口ッノ°を中心に今後広まる可能性のあるIFCC値があり，JDS値はNGSP値より約0.4%低値，IFCC値より約1.5% 高値を示す.日本糖尿病学会では今後2年程度をかけてわが国でのHbA_(1c)をNGSP値に変更し，その表記をHbA_(1c)からA1Cに変更する方針である.また，糖尿病の診断基準も改訂されHbA_(1c)値の診断的意義を格上けする一方，基準値を従来のHbA_(1c) 6.5%よりA1C (NGSP値）6.5%以上が診断基準の1項目として取り上げられる予定である.