胃瘻挿入部の過剰肉芽に対してステロイド外用剤塗布が有効だった2例

摘要

わが国では1995年頃よリ，高齢者や寝たきリ状態で喋下障害を有する症例に対する栄養摂取方法として，リスクマネジメントや医療経済の視点から，静脈栄養から経腸栄養へのシフトが進んできている．管理の側面から，経度内視鏡的胃癌造設術（percutaneous endoscopic gastrostomy：以下，PEGと略）が在宅医療·療養の推進とともに急速に普及し，現在では，最も一般的な経腸栄養ルートとなっている，PEGは確実な管理を行えば，安全かつ簡便に実施できる．一方，PEG症例数の増加に伴い，合併症の報告が増加している．とくに，慢性期合併症の一つである胃癌部周囲の過剰肉芽に関して，創傷治癒困難症例が増加してきている．そのため，PEG造設後の管理が重要と考えられる3）．今回筆者らは，PEG造設後の挿入部過剰肉芽に対して，ステロイド外用剤塗布が有効だった2症例を経験したので，文献的考察を加えて報告する．