緊張型頭痛の発症機序

摘要

緊張型頭痛の発症機序には，頭頸筋からの末梢性求心性ニューロンの異常活性?興奮化が，とくに 稀発緊張型頭痛の基本にあると考えられている.したがって，この入力を抑える非ステロイド系消炎鎮痛薬（NSAIDs),またそれを含んだ湿布は有効なわけである.さらに，頭部周囲の圧痛と心理学的 要因が'頭痛の悪化に関連し重畺するが，その関与の程度は明らかでない.慢性緊張型頭痛患者では， 中枢性疼痛制御機構の異常が疼痛閾値の低下と痛みの增大をもたらす.したがって，抗うつ薬，とり わけ3環系抗うつ薬投与が有用である.慢性緊張型頭痛には片頭痛と一部似た発症メカニズムが推測 されており，慢性的な頭痛発症の共通メカニズムがある可能性がある.