HBV母子感染防止対策事業による母子感染予防の長期予防効果

摘要

はじめに：本邦では1986年からHBV母子感染防止対策事業による母体HBs陽性の児に対する感染防止処置（以下，旧厚生省方式と略）が開始され，小児期のHBVキャリアは激減した.しかし，成人のB型急性肝炎は増加傾向にあり，本邦でもuniversal vaccination の導入が議論され始めている.ワクチンのスケジュ一ルについては予防効果の持続期間が重要であるが，旧厚生省方式で予防した場合の長期効果は不明である. 我々は旧厚生省方式により母子感染の予防処置をおこなつた児の各年齢におけるHBs抗体価を横断的かつ後方視的に検討した.