胸腔鏡下食道亜全摘術を施行した食道類基底細胞癌の1例

摘要

食道の類基底細胞癌は非常に稀な疾患で，予後不良といわれている．今回われわれは胸腔鏡下食道亜全摘術を施行した食道類基底細胞癌の1例を経験したので，若干の文献的考察を加えて報告する．患者：60歳代，女性.主訴：食物つかえ感.家族歴·既往歴：特記すべきことなし．現病歴：食物のつかえ感を自覚し，2007年6月に当院の消化器科を受診した．上部消化管内視鏡にて門歯より約27～30cmに約1/3周性の不整隆起性病変を認め，生検にて類基底細胞癌と診断され，手術目的にて当科へ入院となった．