頸部食道癌に対する咽喉頭食道全摘術は,手術侵襲が過大であるうえに永久気管孔造設による発声機能の喪失など,術後のquality of life(QOL)に多大な影響を及ぼす場合が多い.今回筆者らは,当科で施行した咽喉頭食道全摘術18症例の予後を検討し,その術式の意義について考察した. 1990年1月から1998年4月までに千葉大学第1外科で施行した咽喉頭食道全摘術18症例を対象とした.性別は男性10例,女性8例で,男女比5:4,平均年齢は57.6(+-)10.9歳であった.癌の占拠部位は,PhCe3例,Ce10例,CeUt3例,MtPh(多発癌)1例,LtPh(多発癌)1例であった.各症例の進行度,術式,合併症,予後について検討した.臨床,病理分類は『食道癌取扱い規約第9版』に従った.
展开▼