ダンピング症候群，小胃症状，食道逆流など

摘要

今まで外科医の努力は，いかに手術によりがんの根治性を高めるか，また術式の工夫により臓器損失の影響を軽減するかに注がれてきたが，胃切除後には一定の頻度（20?45%)で胃切除後障害が発生し，患者の日常生活に支障をきたしている.したがって胃切除後障害は「起こるもの」と認識し，その検出と対応にも注力するような視点の転換が必要である.胃切除を受ける患者にとっては，「がんが治ること」ど同時に「術前に近い生活が送れること」は切なる願いである.多くの場合，胃切除後障害は適切な指導と早期の検出-対応をすることでかなり軽減することが可能である.