CVポートとアクセスルート

摘要

抗癌剤投与中の患者のブラッドアクセスは必要性とリスクを考慮し慎重に選択する.超音波ガイド下穿刺は中心静脈アクセスに伴う合併症の予防に有効である.末梢静脈点滴における血管外漏出には早期発見と迅速な対応が求められる.経静脈的薬剤投与におけるアクセスルートは，末梢 静脈，ミツドライン，中心静脈カテーテルなど患者ご とに必要性とリスクを加味して選択するが，特に抗癌 剤投与中の患者は感染や出血傾向などの背景を持つの で慎重な選択が求められる.外科医はポート留置など 侵襲的アクセス手技を担当する機会が多く，患者の体 型やリスクなどを考慮した複数のブラッドアクセス法 をマスターするとともに，その利点と欠点を理解しておく必要がある.ここではCVポートと末梢点滴それぞれについて，ブラッドアクセスに伴う合併症と対策，マネジメントを解説する.