後腹膜膿瘍を契機に発見された播種性ノカルジァ症の1例

摘要

ノカルジァ症は亜急性ないし慢性の化膿性肉芽腫性 疾患で，皮膚および皮下組織に病原巣を作る皮膚ノカ ルジァ症と，経気道的に肺に感染して，血行性に全身 臓器に播種する播種性ノ力ルジァ症に大別される.一 般的にステロイド剤などの免疫抑制剤の使用により免 疫能の減弱したヒトに感染する例が多い.今回われわ れは慢性糸球体腎炎にてステロイド，免疫抑制剤投与 中の患者に発症した播種性ノカルジァ症の1例を経験 したので若干の文献的考察を加え報告する.