心不全と遺伝的素因：心不全およびその基礎疾患のSNPによる関連解析

摘要

[サイドメモ]癌，アレルギー，糖尿病，高血圧， 循環器疾患などの生活習慣病の発症にはゲノムの多様性が関連しているという説が15年程前に提唱さ tl,ゲノム中に最も多く存在する多様性である一塩 基多型（SNP;ゲノム中に数百から一千万個存在す る）を利用して，その遺伝的素因（疾患感受性遺伝 子）を同定しょうという疾患関連解析の試みが全世 界で進められた。近年の国際ハツプマッププロジェ クト2) (http://hapmap.org/)をはじめとするゲノム多様 性に関するインフラ整備により数百万から1千万あ るといわれるSNPの中から代表SNP(tagSNP) (Fig.1)を選択できることや，当初よりは安価な高速SNP タイピング技術の進展もかみ合って，現在では数十 万SNPを数千人単位で検索することが可能となり， 多くの疾患感受性染色体座位が同定されてきている。