12/23法則とV(D)J再編成－新たな制限則の発見－

摘要

種々の外来抗原に対して，生体が免疫応答する際に，主たる役割を担っているのが免疫グロブリン（抗体：Ig）とT細胞抗原受容体分子（TCR）である．免疫反応の多様性，特異性は，IgおよびTCR遺伝子可変部領域の再構成（V(D)J組換え）すなわち，V．D．Jの3つのセグメントの順列組み合わせと，再結合部位での不規則な塩基の脱落·付加により，ある程度規定される．可変部領域は多数のV断片と，J断片滋よび遺伝子によってはいくつかのD断片からなり，おのおのが7塩基配列·スベトサー·9塩基配列（7merspacer 9 mer）の，いわゆる組換え認識配列（RSS ：recombination signal sequence）に隣接している．