骨髄移植後再発に血球貪食症候群を併発し中枢神経浸潤を来たしたBリンパ芽球性白血病の一例

摘要

血球貪食症候群(hemophagocytic syndrome: HPS) は，マクロファージによる貪食能の亢進により血球 貪食が起こる症候群で，血液悪性腫瘍患者の造血 幹細胞移植直後においては移植前処置による高度な 細胞傷害，同種免疫反応および感染症に起因する高 サイト力イン血症が原因となり，生着後の安定期に おいては同種免疫反応や免疫抑制による免疫能低下 状態のもとでcytomegalovirus (CMV)やEpstein-Barr virus (EBV)などのウィルス感染，細菌ならびに真菌 感染により惹起されることが知られている。 t(l;19)/TCF3(E2A)/PBXlを伴ったBリンパ芽球性 白血病(Blymphoblastic leukemia: B-LBL)は他のB リンパ球性白血病に比べ，中枢神経浸潤を起こしゃ すいとされている。