人工骨の歴史と最新デザインコンセプ卜

摘要

骨は再生能力に優れた組織であるが,骨腫瘍や外傷などによって大きな骨欠損が生じると，その補填が必要である。自家骨移植がゴールデンスタンダードとして古くから行われているが，自分の骨の一部を採取する必要があり，大きさや形状に制限があることから，その代替品として同種骨から化学合成品までを含む広義の"バィォマテリアル"が広く用いられてきた。我が国では宗教上の理由などから同種骨が普及せず，合成セラミッタスの人工骨が世界に先駆けて臨床応用され，さらなる発展を遂げつつある。本稿では人工骨の歴史と，近年続々と市場に出てきた高気孔率-連通多孑し体セラミックス人工骨をはじめとする新しいデザインコンセプトの人工骨研究開発の現況を概説する。