縫合不要な神経再生材科の開発と末梢神経再生モデルでの評価

摘要

末梢神経のギャップを修復する神経再生用材料として縫合不要なアルギン酸スポンジを開発し,動物実験でその有効性を評価した。ネコの坐骨神経に50mmのギャップを作成し,アルギン酸スポンジで架橋し修復した。ギャップに何も充填しないものをコントロールとした。 電気生理学的には移植後13週で複合誘発筋電図(CMAP)および体性感覚誘発電位(SEP)の潜時は正常側とほぼ同程度に回復していた。コントロールではCMAP,SEPともに記録されなかった。 4ヶ月目の組織所見では再生軸索がギャップ部以遠に多数見られた。 また移植したアルギン酸スポンジは完全に分解吸収されていた。以上より,アルギン酸ネポンジは神経欠損部に置くだけでよいため手術に特殊な装置や技術は必要でなく,非常に有望な神経再生用デバイスと考えられる.