難治性気胸に対する胸膜癒着療法の臨床的検討

摘要

自然気胸に対する治療法としては，外科的手術 治療の他，胸腔ドレナージ単独あるいは胸膜癒着 療法との併用，軽症であれば経過観察あるいは脱 気のみを行うといった選択が可能であるが，いま だに一定した見解は得られていない。患者の基 礎疾患によっては，全身麻酔下のリスクや基礎肺 疾患によつて根治手術が困難であるため，手術を ためらう症例も多い。中には胸膜癒着療法による 保存的加療を選択する症例もある。本稿では当院 で最近施行した難治性気胸に対する胸膜癒着療法 の治療成績と臨床的有用性を検討した。