進行胃癌に対する膵脾合切，膊温存o脾摘の意義とNo.10転移長期生存例に関する検討

摘要

No.10リンパ節は，胃癌取扱い規約において， U, MU, UM, 3領域の病変では2群リンパ節である。胃癌治療ガイドラインでは，「U領域にかかる進行胃癌ではNo.10郭清のため脾臓を合併切除すること力5望ましい」と記載されている。すなわち，脾摘は，根治手術が期待できる胃上部進行癌で，標準郭清であるD2を達成させる目的で行われてきたが，脾摘の意義に関してはいまだに明確なェビデンスがない。現在，病変が食道および大彎にかからない胃上部進行癌を対象とし，膵脾脱転-脾摘と膵脾温存（脱転なし）を比較する臨床試験（JCOG0110-MF)3)が行われているが，まだ結論は出ていない。そこで，今回，根治度В の胃全摘を行った胃癌症例を塍脾合切群，膵温存-脾摘群，合切なし群の3群に分けて，治療成績をStage別に比較検討するとともに，No.10転移長期生存例の臨床病理学的特徴について検討したので報告する。