変形性膝関節症患者に対するグルコサミン塩酸塩,サメ軟骨抽出物および西洋イラクサ根エキス配合食品の有用性

摘要

現在,我が国は急激な高齢化社会をむかえ,生活習慣病の増加や加齢に伴う疾病患者の増加が社会問題となっている。 加齢に伴う疾病はそのメカニズムからして予防や治療は非常に難しく,また,高齢者のQOLを著しく低下させる。 中でも平成11年度の厚生省患者調査によると我が国の関節症患者数は約75万人と推計されている。 また平成10年度の国民生活基礎調査によると膝に痛みを訴える人は約600万人に達し, 50歳前後から増加し,70歳後半にピークを示す。 今後も高齢化社会の進行によりその患者数は急激に増加することが予想される。 変形性膝関節症(以下,膝OA)に対する治療は主に非ステロイド性鎮痛剤の内服,装具療法,運動療法およびヒアルロン酸の関節内注入等であるが,非ステロイド性鎮痛剤は胃腸障害発現の副作用があり,その予防と治療は重要な課題となっている。