手背点滴漏れに生じた広範なガス壊疽に対し持続陰圧閉鎖療法が有効であった1例

摘要

点滴漏れは医療現場においては多く遭遇し通常 は自然治癒するが，抗癌剤などの一部の薬剤では 重篤な血管炎から皮膚潰瘍を来すことがある。特 に高齢者は血管が脆弱であるため点滴漏れが高頻 度に見られるだけでなく，認知症などで意思の疎 通が困難な場合は11見が遅れ重篤化することがあ るため注意が必要である。今回われわれは手背の 点滴漏れに，尿路感染による敗血症が原因となり 生じた広範なガス壊疽に対し持続陰圧閉鎖療法が 有効であった1例を経験したので報告する。