Helicobacter pylori除菌による胃がんの予防

摘要

1983年にWarrenらDにより報告されたHelicobacter pylori (H.pylori)は，慢性活動性胃炎を惹起し，萎縮性胃炎への進展に強くかかわっているグラム陰す生桿菌である.また，消化性潰瘍患者におけるH.pylori感染率は高く， H.pyloriは消化性潰瘍の重要な病因と考えられており，本邦においては「胃潰瘍·十二指腸潰瘍におけるH.pylori感染症」が唯一の除菌適応疾患となっている.さらにはH.pyloriと胃がんの関連が明らかとなってきており，本稿ではH.pyloriと胃がんおよびその予防について論じたい.